動画編集に最低限必要なスペックは?おすすめPC6選も紹介
- HIROKI ASANO

動画編集用のパソコンは高容量の動画を扱う以上、スペックの高さが求められます。
では、動画編集に最低限必要なスペックとは、一体どれくらいなのでしょうか。そのスペックの選定基準は主に4つです。
今回は、4つの選定基準をもとに動画編集に最低限必要なスペックをお伝えします。
また、最低限必要なスペックを備えたパソコンを6種類紹介するので、この記事を読むだけで目的と好みに合った商品が見つかることでしょう。
動画編集に最低限必要なPCスペックはいくら?
動画編集を行う際、PCのスペックは最低限どれくらい必要なのでしょうか。
最低限のスペックをはかる指標として、次の4つの要素を検証していきましょう。
- CPUスペック
- GPUスペック
- メモリ容量
- ストレージ容量
上記について以下で簡単にまとめています。
概要 | 最低限必要なスペック | |
CPU | 性能が高いほどフリーズが少なく複数のタスクを同時にこなせる | 「Core i7」または「Ryzen 7」以上のもの |
GPU | 主に3Dグラフィックスを滑らかに処理する役割がある | 「GTX1060」以上のもの |
メモリ | CPUの命令をスムーズに各装置に転送する役割がある | 「16GB」以上のもの |
ストレージ | 容量が増えるほど多くのデータを保管でき読み書きをスムーズにする | 「SSD式の250GB」以上のもの |
特に動画は容量が大きいこともあり、画像や音声を編集する場合より高スペックのPCが必要です。それぞれ以下で詳しくお伝えしていきますので、動画編集用のPCを選ぶ際に参考にしてください。
最低限必要なCPUスペック
動画編集に最低限必要なCPUスペックは、「Core i7」または「Ryzen 7」以上のものを選びましょう。
CPUとは、PCの演算能力を司る装置のことです。性能が高いほどPCがフリーズすることなく、サクサクと快適に作業を行うことができます。
CPUチップを提供するのはインテルまたはAMDの2社です。
インテルのハイエンドモデルは「Core iシリーズ」、AMD社は「Ryzenシリーズ」となっており、それぞれ数値が高まるほど性能が高くなります。
インテル製 | 性能の高さ | AMD製 |
Core i3 | 低性能 | Ryzen 3 |
Core i5 | 汎用的スペック | Ryzen 5 |
Core i7 | 高性能 | Ryzen 7 |
Core i9 | 超高性能 | Ryzen 9 |
一般的にただインターネットを使用したり、HD程度の動画を視聴するぐらいならCore i3やRyzen 3でも十分です。
しかし、動画を編集する際はより高い性能が求められるため、最低でもCore i5やRyzen 5が入ったPCを用意しましょう。
フルHDの動画を編集する場合、Core i5やRyzen 5が最低限のスペックです。
ただし、PCを長く使用していると性能が落ちてくることもあります。
また、フルHD以上の動画を編集することも考えて、Core i7やRyzen 7が入ったPCを選んでおくと良いでしょう。
最低限必要なGPUスペック
動画編集に最低限必要なGPUスペックは、「GTX1060」以上のものです。
GPUもCPUと同様にPCの演算能力を司りますが、主に3Dグラフィックスを滑らかに処理する役割があります。グラフィックボードと呼ばれることもあれば、「グラボ」という呼称も馴染んでいます。
GPUを提供するメーカーはNVIDIAが主流です。NVIDIAの提供するGPUは「GeForceシリーズ」として広く流通しており、そのなかに「GTX」や「RTX」といったGPU製品が存在します。
「GTX1060」はコスパが高く、非常に汎用性の高い製品といえるでしょう。動画編集には最低限のスペックを備えているため、これを選んでおけばほぼ問題はありません。
最低限必要なメモリ容量
動画編集に最低限必要なメモリ容量は、「16GB」以上のものです。
メモリはCPUの命令をスムーズに各装置に転送する役割を持ちます。人間の体に置き換えるとCPUは脳、メモリは神経をイメージすると分かりやすいでしょう。
そのため、いくら高性能のCPUを搭載していたとしても、メモリ容量が低ければ動作が緩慢になってしまいます。
動画編集を行うのに最低限のラインは、メモリ容量8GBです。
ただし、CPUと同様に長期間の使用によって性能が悪くなってしまうため、16GB以上のメモリ容量を備えたPCを用意しておくと良いでしょう。
最低限必要なストレージ容量
動画編集に最低限必要なストレージ容量は、「SSD式の250GB」以上のものです。
ストレージ容量が増えるほどPCに多くのデータを保管できます。また、データの読み書きをスムーズにする役割もあるため、快適に動画編集を行いたい場合は高容量のストレージが必要です。
PCのストレージには、HDD(ハードディスクドライブ)とSSD(ソリッドステートドライブ)の2種類があります。SSDのほうが読み書きの動作が速く、高容量のデータを保管できるため、動画編集に向いているでしょう。
また、容量は250GBもあれば十分ですが、資金に余裕があるならさらに高容量のSSDを選択することをおすすめします。
なぜなら、容量が高いほど読み書きがスムーズになり、快適に動画編集が可能になるからです。
動画編集用PCを選ぶ際のスペックの優先順位
動画編集を行う際の最低限のスペックをお伝えしましたが、優先順位はどのように付ければ良いのでしょうか。上記でお伝えしたスペックはすべて重要です。
しかし、編集する環境や目的によっては重要視する必要のないものも含まれています。
動画編集用PCを選ぶ際のスペックの優先順位は次の通りです。
- CPUスペック
- メモリ容量
- ストレージ容量
- GPUスペック
容量の重い動画を扱う動画編集では、PCのパフォーマンスを左右するCPUがもっとも重要。
そして、CPUの命令をスムーズに伝達するためのメモリ容量も優先順位が高めです。
反対にGPUの優先順位は低めになっています。編集ツールによってはグラフィックボードが使えないこともあるからです。
特に無料ソフトを使う場合はグラフィックボードに対応していないことも珍しくありません。
よって、必要最低限のスペックを備えたGTX1060を搭載しておくか、グラフィックボードを搭載しないということも考えられるでしょう。
動画編集用PCを選ぶ際に最低限必要な知識
PCを選ぶ際はWindowsかMacか、またはデスクトップかラップトップか、という点も気になるはずです。動画編集を行う場合は、一体どのタイプが適しているのでしょうか。
以下で詳しくお伝えしていきます。
WindowsとMacの選び分け
まずはWindowsとMacの選び分け方をお伝えしていきましょう。
それぞれ性能に大きな違いはありません。しかし、Windowsの場合はMacの同性能のPCに比べて価格が安い特徴があります。また、汎用性の高さはシェア率ナンバーワンのWindowsに軍配があがります。
そのため、動画編集以外にもいろいろなソフトを使いたい方や、費用を抑えたい方にはWindowsが向いているでしょう。
一方のMacには、Macでしか利用できない動画編集ソフトが存在します。「iMovie」や「Final Cut Pro」などが代表的です。
また、Apple製品との連携に優れている点も見逃せません。そのため、上記の動画編集ソフトを使う場合や、Apple製品を使う機会の多い人ほどMacが向いています。
デスクトップとノートPCの選び分け
次に、デスクトップとノートPCの選び分け方をお伝えします。
高性能なPCはデスクトップに多いですが、最近では高いスペックを誇るノートPCも少なくありません。
よって、スペック以外の面で比較するほうが良いでしょう。
デスクトップは同じ性能であれば、ノートPCよりも価格が抑えられます。また、BTOによってさまざまなカスタマイズに対応している点も大きなメリットです。
そのため、コスパの高さやカスタマイズ性を重視する方に向いています。
一方のノートPCは、持ち運びができる点が最大のメリットといえるでしょう。
電源を差さずに起動でき、さらにモバイルバッテリーなどがあれば外出時でも電源を長持ちさせることができます。
そのため、PCを持ち運んで動画編集などを行う方には最適です。
最低限必要なスペックを備えたおすすめのパソコン6選
最後に、ここまでお伝えした最低限必要なスペックを備えたパソコンを紹介しておきます。
デスクトップとノートPC別に全部で6種類紹介するため、自分にピッタリのPCが見つかることでしょう。
最低限必要なスペックを備えたおすすめのデスクトップPC
まずはおすすめのデスクトップPCを3種類お伝えしていきます。
FRONTIER GA B450-B
GAシリーズ(B450)
高性能のPCを販売するFRONTIER社製の「GAシリーズ」です。
GAシリーズは計6種類ありますが、なかでもRyzen 7を搭載したモデルは動画編集にも適しています。
メモリは16GB、SSDのストレージは500GBと十分過ぎる性能を備えています。
汎用型のRyzen 5を搭載したGAシリーズに比べて性能が格段に向上している点が特徴です。
マルチタスクを行いながら動画編集ソフトを開くこともできるため、作業範囲の広いクリエイターの方におすすめです。
価格 | 139,480円(税込) ※価格はサイトによって変動します |
CPU | Ryzen 7 3700X |
メモリ | 16GB |
ストレージ | SSD 500GB |
GPU | GTX 1660 SUPER |
raytrek MX
漫画家やイラストレーターなど、さまざまなクリエイターに愛されるraytrek製のハイスペックモデルです。
冒頭でお伝えした必要スペックのほとんどを満たしているうえに、同性能製品に比べて価格も高くありません。
特にストレージ容量は1TB(1GBの約1,000倍)もあるため、動画編集時のデータ読み書きは非常にスムーズです。
ただし、GPUの性能はやや低いので、グラフィックボードが必要な編集ソフトを使う際には向きません。
価格 | 118,778円(税込) ※価格はサイトによって変動します |
CPU | Core i7-10700 |
メモリ | 16GB |
ストレージ | SSD 1TB |
GPU | GTX 1650 4GB |
27インチiMac
WindowsではなくMacを選びたい人におすすめのモデルです。やはりWindowsに比べて価格は高いものの、性能の高さは折り紙付き。Core i5シリーズのCPUを使っており、動画編集を含むマルチタスクも問題なく動作します。
また、画面サイズが大きいので本格的に動画編集を行うには最適です。
やや価格が高いという方には21.5インチモデルを選ぶのも良いですが、27インチの大画面だと複数の画像を並べて編集などの操作がしやすく便利です。
価格 | 202,180円(税込) ※価格はサイトによって変動します |
CPU | Core i5 |
メモリ | 8GB |
ストレージ | SSD 1TB |
GPU | Radeon Pro 570X |
最低限必要なスペックを備えたおすすめのノートPC
今度はおすすめのノートPCを3種類お伝えしていきましょう。
GALLERIA GCR1660TGF-QC
インテルと老舗のパソコン専門店ドスパラが共同で開発したモデルです。
すべての面においてノートPCとは思えないスペックを備えており、デスクトップのような快適性を実現しました。
動画編集以外にも、3Dゲームやマルチタスクにも対応。HDDは付いていませんが、SSDの容量が多いので増設する必要もありません。
価格 | 159,918円(税込) ※価格はサイトによって変動します |
CPU | Core i7-9750H |
メモリ | 16GB |
ストレージ | SSD 512GB |
GPU | GTX 1660 Ti 6GB + インテル UHDグラフィックス630 |
HP Spectre 13(パフォーマンスモデル)
HP社が誇るハイエンドノートPC「Spectre x360 13」のパフォーマンスモデルです。
ほかにもスタンダードモデルやベーシックプラスモデルもありますが、動画編集にはパフォーマンスモデル以上のものを選びましょう。
高性能のCPUやストレージを備えているにもかかわらず、本体は1.24kgと大変軽量です。
また、バッテリーは最大22時間持続するため、外出時に動画編集を行うには最適といえるでしょう。
価格 | 192,280円 ※価格はサイトによって変動します |
CPU | Core i7-1065G7 |
メモリ | 16GB |
ストレージ | SSD 1TB |
GPU | Iris Plus |
m-Book K700SN-M2SH2
費用を抑えたい方には、マウスコンピューター社製のこちらのモデルがおすすめです。
CPU、メモリ、ストレージと必要な機能はすべて揃っています。そのうえ価格は他社の同性能製品に比べて安いため、コスパの高いノートPCといえるでしょう。
また、BTOにも対応しているため、自分好みにカスタマイズしたい方にも向いています。ただし、本体が2.1kgとやや重いため、頻繁にノートPCを持ち運ぶ際には注意してください。
価格 | 131,780円(税込) ※価格はサイトによって変動します |
CPU | Core i7-9750H |
メモリ | 16GB |
ストレージ | SSD 256GB + HDD 1TB |
GPU | MX250 |
長期の運用を視野に入れて動画編集用PCを選ぼう
容量の大きい動画を扱う以上、動画編集用PCには高いスペックが求められます。
特に、PCの性能を決めるうえで重要なCPUやメモリ容量を最重要視するようにしましょう。
また、PCは少なくとも5~6年は利用することが多いため、長期的な視野を持つことも大切です。
長期的な運用も考えるとややコストが高くても、スペックの良いものを選ぶことも選択肢の一つとなってきます。いろいろな条件を比較して自分に最適なPCを選んでください。
※記事内で掲載している価格は2020年8月22日時点のものです。
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